2007年12月30日

「子ども心と町の空」

No.40

待ち合わせをした橋のたもとに戻ってきた3人は明朝の約束をして別れた。
金田は蛇の話が気になっていた。

「ただいま~。」
「お帰りなさい、のど渇いたでしょう。冷蔵庫に麦茶が入ってるわよ。」

急いで冷蔵庫を開け、コップに注ぎ一気に飲み干した。

「ぷあ~、うまい!こんなうまい麦茶は初めてだ。」
「どうだったの?ちゃんと走れたの?」
「なんとかね・・・。でも始めてだから結構きつかったよ。」
「山田のおじいさんは来てたの?」
「来てたよ。あのじっちゃんはすごいよ。何歳になるの?」
「お母さんはよく知らないのよ。お父さんが知っているかもしれないから、今度聞いてみたら?」
「聞いてみるよ。・・・あ、それから蛇の話って知ってる?」
「蛇の話って?」
「蛇河川の話だよ。」
「ああ、戦争の時あの橋の下で大勢が死んだ話ね。おじいちゃんがよく話していたわね。」
「へぇ、そうか、おじいちゃんは戦争を知ってるもんね。生きていたらいろいろ聞けたのにね。」
「そうね、でも祟りなんて迷信よ。気にしない方がいいわよ。」
「気になるよ。」
「そんなことより、もうすぐ学校へ行く時間よ。はやくご飯にしなさい。」

森山が言ったとおり、ご飯がめちゃくちゃおいしかった。
茶碗に山盛り2杯をたいらげて学校へ行った。

「よ、金田~。調子はどうだ?」
「あ、よっちゃん、おはよう。」
「足は大丈夫か?」
「ちょっとふらふらする。」
「今日も部活あるからな。きついかもね。」
「そうだね。よっちゃんは大丈夫?」
「当たり前だのクラッカー!」
「さすが、怪物よっちゃんだ。」
「ところで朝飯おいしかったろ。」
「めちゃおいしかったよ。山盛り2杯だよ!」
「そうだろ、そうだろ。言ったとおりだろ。」
「明日も頑張ってみるよ。」
「おう!がんばろうぜ。明日はマコト(夏木誠)も誘ってみるよ。」


同じカテゴリー(物語)の記事

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。