2007年11月18日

「子ども心と町の空」

No.36

翌朝、3人は山田のじっちゃんのいる橋のたもとへ向かった。

「ふぁ~、眠たいよ。」
「金田は朝が弱いからな。」
「いきなり今日からだなんて・・・よっちゃん元気だよなぁ。でもこんなに早く起きたのは久しぶりだし、天気がよくて気持ちいいいね。」
「そうだろ。朝早く起きると朝飯もうまいんだ。それより山田のじっちゃんいるかな。」
「毎日来てるんだよね?」
「・・・あ、いたいた。」

黒い毛糸の帽子に黒い上下のジャージ。細身で締まった体はまさにマラソン選手のような風貌だ。
すでに周りには何人か集まっている。

「じっちゃん、おはよう!」
「おお、ヨシ、久しぶりだね。また走るのかね。」
「そうだよ、今日は友達を連れてきた。金田と藤田。」
「そうかね。おはよう。」
「おはようございます。よろしくお願いします。」
「じゃ、早速準備運動をしなさい。」

60歳はとうに過ぎているはずだが、正式な年齢は不詳である。
動きにしろ言葉づかいにしろ、驚くほどしっかりしている。

「山田のじっちゃんぜんぜん元気だね。」
「あたりまえだろ、毎日走ってるんだぜ。金田ついていけるか?」
「いっしょに走るのは始めてだけど・・・そんなにすごいの?」
「おじいさんだと思っていると大変だぞ。」
「そうなの?」

「さあ、そろそろみんな行こうか。今日は浜公園までだ。」

一斉にゆっくりと走り出した。


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この記事へのコメント
次から次へと少年たちの動きはめまぐるしい・・・・
 こんな時代 自分にはあったかしら????。
Posted by あかり at 2007年11月20日 16:16
かならず活動的な時代はあったと思います。
ただ、記憶にとどまるほど刺激的だったかどうかです。
Posted by 伝道師 at 2007年11月22日 23:15
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