2007年02月08日

「子供心と町の空」

「子供心と町の空」

第1話

玄関を開けた瞬間、あたたかい風が頬をなでる季節になると、彼はやってきます。

カラカラ、コトン・・・

公園で遊んでいた子供たちが一斉に駆け寄ってきます。

「あ!きたきた・・・」

自転車の荷台に積んでいるのは、紙芝居。  そう、紙芝居のおじさんです。

紙芝居のおじさんは、いつもなぜかスキー帽をかぶっています。服装も上下灰色と決まっています。

ぼくは、幼なじみのカッちゃんを呼びに、向かいの家に急ぎます。

インターホンを押しますが、早く出てくれないかと、そわそわするんですが

出てくるのは、いつもおばあちゃんでした。

おばあちゃんはいつも落ち着いていて、言葉もゆっくり、行動もゆっくりです。

おばあちゃん
「ああ、マーちゃんかね。」

ぼく
「カッちゃんいるぅ?」

おばあちゃん
「カッちゃん?・・・あああ、どうだったかいねぇ・・・」

いつもの調子のおばあちゃんに、ぼくは更にそわそわしてきました。
はやく!はやく!紙芝居が始まっちゃうよ。

そこへ、救世主のようにカッちゃんのお母さんが奥から出てきました。

カッちゃんのお母さん
「ああ、まーちゃん、ちょっと待ってね!」

お母さんが現れたので、おばあちゃんは何事も無かったかのように、そろそろと奥へ行ってしまいました。


同じカテゴリー(物語)の記事

この記事へのコメント
ほのぼのと 楽しいお話
伝道師さんは童話作家になれるょ
Posted by あかり at 2007年02月10日 21:25
あかりさん、ありがとうございます。
ちょっとづつの掲載ですけど続けますので読んでください。
第2話は明日載せますね。
Posted by 伝道師 at 2007年02月11日 00:58
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。