2010年03月25日

「金田くんの冒険記」

(お待たせしました・・・)

No.10

「まさか、その化け物みたいな魚を釣りたいの!?」
「そうだよ。いるんなら釣ってみたいじゃないか。」
「カッちゃんって、釣りとなると目の色が変わるんだから・・・。」
「明日の朝早く行って夕方までに戻れば大丈夫さ。」
「自転車で行くの?」
「ああ、どのくらいかかるか調べないとな。大体はわかるんだけどな・・・。」

麗子が口をはさんだ。

「ねえ、車に地図があるから持ってくるわよ。」
「ええ?そうなんですか?やったね、カッちゃん。」

地図を持ってくると、砂の上に広げ、さっそく2人は鬼竜沼を探し始めた。
地図の上を這いつくばるように、何度も体制を変えながら探す姿はとても滑稽だ。
真剣に地図に見入っているそんな2人がとても楽しそうで、麗子は羨ましかった。
私もこんな時代があったんだ。
そんな思いが行動力を引き出した。

「ねえ、君たちが行くんなら、私も行くわ。」
「え?お姉さんも?」
「うん、私も彼を探しに行くわ。それに自転車じゃ時間がかかるし、車で行きましょう。」
「・・・どうする、カッちゃん?」
「どうするって・・・知らない人の車に乗っちゃだめなんだぞ。」
「そうだよね。いくら若いお姉さんっていっても他人だし・・・。」
「ああ、車に乗せて、そのまま何処かに連れて行かれて、誘拐されるかも。」
「こ、怖いよそれ・・・。」
「そしたら、身代金要求されるんだぜ。」
「身代金って幾らぐらい?」
「さあ?100万円ぐらいかな!?」
「ええ!?100万円も?」
「でも結局、最後は殺されちゃうかもな。」
「いやだ~。」

暫くは黙って聞いていた麗子も、さすがに切れた。

「ばか!黙って聞いてりゃ誘拐だの身代金だのって、いい加減にしなさいよ!」


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