2010年03月06日

「金田くんの冒険記」

No.9

鬼竜沼と聞いて藤田は何かを思い出した。

「鬼竜沼って聞いた事あるなぁ。」
「へえ、カッちゃん知ってるの?」
「ああ、親父も釣り仲間から聞いたらしいんだけど、化け物みたいな魚がいるって噂だ。」
「どんな魚なの?」
「ブラックバスに似ているらしいけど、はっきりとはわからない。噂だと2mぐらいだそうだ。」
「2mのブラックバス?・・・嘘だぁ~。」
「俺も単なる噂だと思うけど・・・。」
「ふ~ん、それよりお姉さん、その彼氏はいつ行ったの?」
「ちょうど今日で1週間経つかな。」
「行ったきりで1週間も連絡無いの?事故に遭ったのかもしれないよ。」
「そうよね。携帯は持ってるはずなんだけど、通じないのよ。だから今日警察に届けるつもりで、その前にちょっと寄り道してここに来たの。」
「そうだったんだ。それなら早く行った方がいよ。」
「そうするわ。ありがとう、金田くん、藤田くん。」
「ううん、僕こそすみませんでした。」
「いいのよ、いい子ね!?」

麗子は立ち上がり、お尻に付いた砂を掃った。
二人の元を立ち去ろうとした時、なぜか藤田が引きとめた

「ねえ、お姉さん。ちょっと待って!」
「え?なに?」
「そこに行ってみようよ。」
「ん?そこって?・・・鬼竜沼へ!?」
「そうだよ。3人で行って確かめようよ。」

金田は驚いた。

「カ、カッちゃん!?」
「なあ、行こうぜ!金田。親父の話を思い出したけど、そんなに遠くないらしいからさぁ。」
「まじ~?」
「まじだよ、噂が本当かどうか確かめたくないか?」


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