2008年02月10日

「子ども心と町の空」

No.44

「うわー!」
夏木は足を滑らせ、堤防を転げ落ちた。

「マコト君!」
慌てた金田も同じように足を滑らせた。
「あわああ・・・痛っ!」
転げることはなかったが、背中で滑り落ちた。

「おい!マコト、金田、大丈夫か?今行くからな!」
森山も足元に気をつけながら堤防を降りようとした。
かなりの急斜面の上、雑草が一層滑りやすくしている。
「どわぁ~!」
やはり森山も滑り落ちた。
金田のペースに合わせ遅れていたため、他の集団はずっと先に行ってしまった。
残るは藤田だけだ。

「おーい、大丈夫か?」
心配そうに下を見るが、降りようとすれば森山の二の舞だ。

「痛えなぁ・・・。金田大丈夫か?」
「びっくりしたけど大丈夫。・・・でもマコト君が足を怪我したみたいだよ。」

足を抱えて痛そうにしている。

「マコト、足をひねったのか?」
「ううう・・・。あ、足首が痛い。捻挫かな・・・。」
「こりゃ大変だ。おーい藤田!だれか呼んできてくれよ。マコトが怪我したんだよ。」
「え?そうか、わかった。急いで呼んでくる!」
「金田、おれも誰か呼んでくるからちょっと待ってろよ。」
森山はそう言って堤防を登り始めた。

ガサガサ・・・

「ん?なんの音?」
「なんだ?」
「い、いやな予感がする・・・。」


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