2011年01月26日

「金田くんの冒険記」

お待たせしました。
物語再開で~す。
金田君の運命やいかに・・・。

No.23

「金田くんの冒険記」

中は以外と広く、外からはわからなかったが、奥行があり幾つか部屋が並んでいるようだ。
壁を見ると木造で、ロッジのような雰囲気があり、見た限り家具類は少なく、食器棚と真ん中に大きなテーブルがあるくらいだ。
なんの機材も無いし、観測小屋とは程遠い。

「そういえば君の名前を聞いてなかったね。」
「あ、金田って言います。」
「金田くんか。まずは体の汚れを落とした方がいいな。その奥の部屋に樽があるからその水を使うといいよ。こんな所だからあまり沢山は使わないでくれよ。」
「わかりました。ありがとうございます。」

男の表情は依然とし、助けてもらった時とは違ってよそよそしくなっている。
棚から取り出した作業服のようなものを渡され、部屋に案内された。
大きさは3畳ぐらいだろうか、中には小さな木製のベッドがあり、横に樽があった。

「この樽の水をタオルに染み込ませて体を拭くといい。なにかあったら呼んでくれ。」

そっけなく言い放って男はさっさと部屋を出てドアを閉めた。
その直後、鍵を掛けるような音が聞こえた。

「あ、おじさん、なんで鍵しめるの?」
「・・・」

返事はなく、足音は遠ざかっていった。
金田は監禁されたと直感した。
あわててノブを回すが、びくともしない。
やばい・・・。
どうしよう。
僕を監禁してどうするんだろう。
なにも変なことしてないのに。


同じカテゴリー(物語)の記事

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。